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La ricerca della morale che non dipende da una cosa della trascendenza...
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「で、どこまでやるつもりなんだ?……状況の悪化を、だよ!」
 従前(←http://nornsaffectio.jugem.jp/?eid=83)。
 問題が拡がっています。

◎毎日新聞問題の情報集積wiki
http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1.html

 もうエントリーに採りあげるのは止そうとも思ったのですが、このままでは思い残すことがあるので、もう一回だけ。

(7月8日追記:ごめんなさい。さらにもう一回やります。)
 最初に断っておきますが、僕こと当サイトの主筆・よはんは基本的にスタンドアロンな個人であり、特定の思想的・宗教的セクトや傾向団体、あるいはそういったものの影響を受けたプロ市民運動その他の「集団的な動き」には一切関わり合いを持たない者であり、ここで書いていることは、ネットその他の情報源をよはんが個別に見聞きし、思ったことを書いているに過ぎません。そもそも、このような断りをわざわざ入れなければならない状況になってきたこと自体、情けないことです。


1,その後の顛末:状況の悪化

 さて、その後の展開ですが、前回から紹介しているリンク先等から仕入れた状況を見る限りで話しますと、僕としては非常にうんざりする方向に事態は進行しており、すでに泥沼化の様相を呈しはじめているようです。まず、毎日新聞の対応の仕方が下手すぎる。当事者である限り、そもそも問題となった出来事に対する基本的なスタンスを明らかにしない限り事態の収拾など覚束ないわけです。この件でいうなら、ライアン某の書いた記事内容の真偽です。ライアンが書いたような事実が実際にあったのか、なかったのか。それを説明しなければ話が始まらない。担当者を内々で処分したって対内的にしか効果がないんですよ。そうでなく、記事内容の真偽そのものについて、きっちり、個別具体的に応答する必要がある。説明責任(アカウンタビリティー)というやつですが、そもそもそこを怠っているので、事態収拾のスタート地点にすら立っていない。

 最もいけないのは、問題となった記事をさっさと削除してしまったこと。一度発表し、人目に触れた以上、発表したという事実は覆ることはありません。そして、発表されたものが議論になる可能性がある以上、その前提としてアーカイヴを保存しておく責任がある。それは新聞社の基本的な役割のはず。それを消してしまうということは、言論の最低限のルールに悖る行為というほかありません。最悪です。擁護しようがありません。

 また、当事者意識が欠落している。自分がアカウンタビリティーしていない時点で、批判者に対する反撃をしても事態を悪化させるだけだという程度の想像力も働いていないのか、いらん火種(→1,2)ばかり次々に出てきて、状況の悪化に歯止めが掛かりません。その火種ですが、自分たちで蒔いたなら論外(頭が悪すぎる)として、そうでなく無責任な外野がやったのだとしても、蒔かれたものを拾っていかなければどうしようもない。それが言論に携わるものの責任 responsibility (≒respondability 応答可能性)ってものなんだから。だいいち、そもそも真っ先に公式見解を発表しておけばこうしたことにはならなかった。

(7月7日追記:上記「いらん火種」について、追加情報→3。どうやら「頭が悪すぎ」たようです。やれやれ…)

 まあ、毎日新聞社が日本の大新聞のなか最もアカウンタビリティーできない体質の会社だということは今に始まった話ではないけれども、もうちょっと上手いこと立ち回れないものなんでしょうかね。いたずらに事態を悪化させているようにしか見えない。

 しかしもう、当事者がああでは、どうしようもない。なるようになるしかないでしょう。


2,残された問題:言論の自浄作用の限界?

 まあ、その件はもういいです。今後毎日新聞がどういう立場に立たされようが、自業自得ですから。

(ここから論調が変わるので、口調も変えます。悪しからず。)

 さて、じっさいに心残りなのは、ライアン某の記事による法益侵害結果が、前回想定したよりも広範囲に及ぶ可能性があり、そのことを考え落としていたことである。前回僕は、以下のように書いた。

しかし、事実誤認を招く引用をされたサイゾー誌サイドと、不本意な言及を受けた漫画家「でこくーる」氏はもっと怒っていい。こちらは「日本人全体の名誉」というような抽象的な利益の侵害に止まるものでなく、具体的な法益侵害を伴っている可能性があるからだ。


 でも、「まとめwiki」で報道ロンダリングの記事を読んで、上のようなまとめ方は狭いのでないかと思うようになった。つまり、本来信憑性が疑われているタブロイド紙の記事が、報道ロンダリングを経て一流新聞社Aの記事というお墨付きを得る。その結果、ロンダリング以前なら相手にもされなかったものが、信憑性の高い記事として出回ってしまう。それが、日本人女性を性的に侮辱する内容で、一部の外国人のエキゾチズムを刺戟するものであった場合、日本人女性の貞操観に関して広範な誤解が生まれ、セクシュアル=ハラスメントや、性犯罪を呼び寄せてしまう、…と。

 そうなると、「日本人全体の名誉」の方も、抽象的な利益とばかりは言っていられないかもしれない。結構具体的な害悪が想定できるからだ。そのようなことが確かにいえるのだとしたら、事態は人権侵害の可能性がある。問題は、その因果関係をどの程度確かなものとみるべきかということだ。というのも、じっさいには証明が難しいのである。ここで僕は、事態があることに似ていることに思い至った。疫学的証明である。

疫学的証明 病気の原因となる物質・菌を解明し、伝染経路を明らかにする方法で、異常を訴えている人に共通の因子を発見し、その中から科学的に説明可能で作用が大きい因子を選び出し、残されたものを原因ないし経路として特定しようとする考え方である。刑法の領域では、チフスの感染経路が争点となった千葉大チフス菌事件一審(千葉地判昭和48・4・20判時711・17)で注目され、その後、公害犯罪の領域において因果関係の証明を容易にする手段と考えられた面がある。そこには民事理論の影響が見られる5)。しかし、刑事の領域では「疑わしきは罰せず」の原理が妥当するので、蓋然的な証明では足りない6)。ただ、疫学的手法により「蓋然性」を超えて「合理的な疑いを容れない程度」の立証がなされれば処罰可能なのである。

注5)民法の領域では、公害の被害者は通常経済的に劣悪な地位にあり、因果関係の完全な立証を要求したのでは、被害者の正当な救済は全うし得ないという考え方も有力で、因果関係の証明を緩める様々な理論が展開されたのである。その中に疫学の成果が取り入れられ、個々の「因果の環」が厳密に立証できなくとも蓋然的な証明で足りると主張されたのである。 

(以上、前田雅英『刑法総論講義[第2版]』東京大学出版会、227頁より)


 特定の害悪の責任を法的に誰かに問う場合、侵害者の行為と被害者の被害=法益侵害結果、および両者間の因果関係の立証が必要になる。因果関係については学説の対立があるが、今後ますます有力化してゆくと思われる客観的帰属論により説明すると、侵害者による危険の創出が認められ、さらにその危険が被害者における法益侵害結果に帰結したといえるかどうかが問われ、それが肯定されたとき「因果関係あり」とされることになる。(因みに原因となる危険が複数ある場合、それぞれの原因の結果実現に対する寄与度が具体的に問われる。その認定について様々な理論的説明が試みられているが、話がそれるのでここでは触れないでおく。詳細は、下記松宮総論などを参照せよ。)

 たとえば水俣病であるが、あれほどの社会的インパクトを与え、また被害が明白かつ広範であったのに、裁判が長引いたのは、被告であるチッソの「たれ流し」行為と、有機水銀を含んだ魚介類の摂取という法益侵害結果のあいだの因果関係の立証が難しかったからにほかならない。なにしろ、先には広い海の中で工場排水を魚やら何やらが飲み込むプロセスがあり、末はそれと思われる魚が漁獲され、食卓に並び、被害者の口に運ばれるという長々しい過程である。ひとつひとつの段階も確定が難しければ、それぞれの段階の間に不確定要素が多すぎる。だいたい因果関係があるだろうこと(蓋然性)はわかっているが、まちがいなくそうだったはずだという確証に到る(「合理的な疑いを容れない程度」の立証)のは至難のことであった。

 そこで、上記疫学的証明の手法が使えないだろうかと検討されたことがある。それを使えば、「おそらくそうだったろう」という程度まで、因果関係の証明が可能となる。しかし、それでも公害などのケースは、因果関係が広すぎる。大概は、合理的な疑いを容れる可能性が、ひとかけらくらいは残ってしまうのだ。

 まして「情報」は、有機水銀などと違い、そもそも有体物ですらない。最初からつかみ所がないのである。伝わった経路は引用つながりをトレースしてゆけば良いだろうが、最後に難関がある。それは、犯人の主観である。性犯罪の犯人がその情報を摂取し、日本人女性にたいする歪んだ認識を得、それを根拠として性的行為に及ぶ、…という過程がからんできてしまうのだ。多くの良識的人間は行為にまで及ばない以上、そのプロセスはどうしても不確定たらざるを得ない。

 「許されない危険」の創出は、記事の存在によって確かめられる。また、誤った日本女性観に基づく犯罪という、人権侵害結果もある。原因やソースはどうあれ、犯罪に遭っている女性が多いのは事実なのだから。つまり、結果反価値はある。問題は、その結果反価値が、記事により創出された「許されない危険」の帰結といえるかどうか、その点に掛かっているのである。しかし、こういうケースの場合、因果関係が広範囲に及ぶため、証明がきわめて困難なのである。
 
 とはいえ、ライアン某の記事がそういう結果反価値につながるはずだという蓋然性が一般に認めうるということもまた確かなのだ。記事に関しては、正犯はもとより共犯ももとよりありえないとしても、害悪が及びうる状況をつくりだしているという意味では有害であり、その害悪から日本女性が守られるべきなのは当然である。誰もが「許せない」と感じているのだから。しかし、新聞記事から具体的事件へ、というプロセスはどのみち迂遠であり、疫学的証明の論理で情報伝播の道を辿っていっても、有害ゆえに記事の責任者を追求することは難しい。その害悪は、まさに疫学的なのである。それをどうにか取り締まろうと思うなら、前記事の漫画家のケースのようなミクロな部分にて対応するか、さもなくば抽象的危険犯として新たに立法するしかないだろう。

 優等生な解答をするなら、事は言論の自由に関わることだから、その害悪については情報伝播過程の自浄作用を期待すべきであり、いたずらに行政の介入をまねくべきでないということになる。(じじつ、こうしてネットで指弾できるわけだから。)それでも毎日新聞社の道義的責任は残るし、必然的に指弾されるだろう。しかし、あまりに劣悪な情報が報道ロンダリングを経てお墨付きをもらい、自浄作用が働くより先に広範に伝播し、じっさいに法益侵害の危険を招いているのだとしたら、やっぱり何か考える必要がある。

 だいいち、言論の自由といっても、大新聞の報道する権利というのは、個人の尊厳に直接関わるものではない。つまり、大新聞の報道権は「切り札としての人権」ではないのである。(松井茂記や長谷部恭男の人権論を参照せよ。後記文献参照。この論理はもっと使っていい。)それどころか、大新聞の報道する権利を保護しすぎることは、個人への具体的危険を招く虞がある。慎重さが必要とはいえ、そろそろ、大新聞という社会的権力に鈴をつけるべき時節なのだろう。(了)

*7月7日、追加情報を掲載しました。また、論旨を明確にするため、加筆修正しました。




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(本当は僕は前田教授は嫌いであり、松宮孝明先生とかの方が好きなのだが、「疫学的証明」について書いている手ごろな本が前田本しかなかった。松宮先生の本も紹介しておく。)

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